TOP > 半導体年表 > 1975年の半導体産業・技術分野の重要な動向

1975年の半導体産業・技術分野の重要な動向

1975年は、マイクロプロセッサの普及、メモリ技術の進化、半導体製造技術の微細化、日本の半導体産業の成長といった重要な出来事がありました。特に、Altair 8800の登場、MOS技術の進展、DRAMの大容量化、シリコン製造プロセスの進化が注目されます。


1. Altair 8800の登場とマイクロプロセッサの普及

パーソナルコンピュータ時代の幕開け
1975年1月、MITS(Micro Instrumentation and Telemetry Systems)がAltair 8800を発売しました。このコンピュータは、前年(1974年)に発表されたIntel 8080を搭載し、世界初の商業的に成功したパーソナルコンピュータ(PC)とされています。

Altair 8800の特徴
●Intel 8080(8ビットCPU)を搭載
●標準メモリは256バイト(後に拡張可能)
●スイッチとLEDによるプログラム入力方式
●拡張スロットを搭載し、周辺機器の追加が可能
●低価格($395のキット版)で販売され、多くの技術者やホビイストに人気

このAltair 8800の成功を受け、マイクロプロセッサを搭載したコンピュータが一般市場に普及するきっかけとなりました。また、このPCの登場により、Microsoft(当時はMicro-Soft)が設立され、Altair向けのBASICを開発したことも、後のコンピュータ業界に大きな影響を与えました。

ポイント
Altair 8800の登場により、パーソナルコンピュータの時代が始まり、マイクロプロセッサの普及が加速した。


2. DRAMの大容量化と16K DRAMの本格量産

メモリ市場の成長
1975年には、16K DRAM(Intel 2116やMostek MK4116)が本格的に量産開始され、メモリの大容量化が進みました。

16K DRAMの特徴
●メモリ容量が従来の4K DRAM(1973年頃)から4倍に増加
●電力消費の削減
●コストパフォーマンスが向上

この16K DRAMは、ミニコンピュータやメインフレームに採用され、PCのメモリ拡張にも重要な役割を果たしました。特に、Mostek(モステック)は新しいアドレス・マルチプレクシング技術を導入し、DRAMのピン数を減らすことでコストを削減しました。

ポイント
16K DRAMの量産が始まり、コンピュータの高性能化と低コスト化が進んだ。


3. MOS技術の発展とLSIの進化


半導体集積度の向上
1975年は、MOS(Metal-Oxide-Semiconductor)技術がさらに進化し、LSI(大規模集積回路)の性能向上が進みました。

主な技術進展
●PMOS、NMOS、CMOS技術の発展
●微細加工技術の向上(プロセスが5μmまで微細化)
●アナログ回路を統合したICの登場

特に、CMOS技術の研究が進み、低消費電力で高性能なICの開発が進行しました。この技術は、後にモバイル機器や低消費電力デバイスに広く応用されることになります。

ポイント
MOS技術の進化により、半導体の集積度が向上し、ICの高性能化が加速。


4. シリコン製造プロセスの進化

微細加工技術の進歩
1975年には、シリコンウェハーの製造技術が向上し、高純度シリコンの量産が進展しました。これにより、半導体の歩留まりが向上し、コスト削減につながりました。

主な技術革新
●フォトリソグラフィ技術の精密化
●イオン注入技術の改良
●エッチング技術の進歩

特に、フォトリソグラフィ技術が進歩し、より小さなトランジスタを製造できるようになり、半導体の高集積化が進んだのが特徴です。

ポイント
シリコン製造技術の向上により、半導体のコスト削減と高性能化が加速。


5. 日本の半導体産業の成長

日本企業の市場拡大
1975年には、日本の半導体メーカーがDRAM市場やマイクロプロセッサ市場に本格的に参入し、NEC、日立、東芝、富士通などが技術開発を加速させました。

日本の半導体産業の動向
●NECがマイクロプロセッサ技術の開発に注力
●日立・東芝がDRAM市場での競争力を強化
●シャープがMOS LSI技術を活用し、電卓市場をリード
●通商産業省(現・経済産業省)が半導体技術開発を支援

この時期の日本企業の成長が、1980年代の半導体市場での競争力強化につながることになります。

ポイント:
日本の半導体企業が成長し、DRAMやMOS技術で国際市場に参入。


6. ムーアの法則の発表

1975年には、Gordon Moore(インテル共同創業者)が、半導体の集積度の進化に関する「ムーアの法則」の改訂版を発表しました。

「半導体の集積度は約2年ごとに倍増する」
この予測は、その後も長期間にわたって有効となり、半導体技術の進歩を示す基準として広く認識されました。

ポイント
ムーアの法則が改訂され、半導体産業の成長予測の指標となった。


まとめ

✅ Altair 8800の登場により、PC時代が本格的にスタート。
✅ 16K DRAMの量産が始まり、コンピュータのメモリ容量が大幅に向上。
✅ MOS技術が進化し、LSIの高集積化が加速。
✅ 半導体製造技術の進歩により、微細加工が可能になり、コスト削減が進む。
✅ 日本の半導体企業が成長し、国際市場での競争力を高めた。
✅ ムーアの法則が改訂され、半導体産業の発展が予測されるようになった。

1975年は、パーソナルコンピュータの誕生、DRAMの大容量化、半導体技術の進歩が加速した年だった。




[オススメ記事]1977年の半導体産業・技術分野の重要な動向
[オススメ記事]1974年の半導体産業・技術分野の重要な動向