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半導体と技術の進化
半導体はこれまで世界を大きく変え、今後も進化を続けていくことで、私たちの生活や価値観にさらなる影響を与えるでしょう。その未来を考えるうえで、半導体がこれまでどのように世界を変えてきたかを知ることは非常に重要です。
真空管から半導体へ
半導体の登場以前、その役割を担っていたのは真空管でした。真空管は、1904年にイギリスの電気技術者ジョン・アンブローズ・フレミングによって発明されました。フレミングは中学校の理科で学ぶ「フレミングの法則」の考案者でもあります。
真空管の原理の発見には、トーマス・エジソンの「エジソン効果」が大きな役割を果たしました。エジソンは、フィラメントと金属プレートを真空状態のガラス容器に配置し、電流が一方向にのみ流れる現象を発見しました。これが整流の原理に相当し、フレミングはこれを応用して二極真空管を発明しました。二極真空管はラジオの検波器として使用され、半導体が登場するまで約50年間活用されました。
三極真空管の発明と増幅機能
二極真空管には「増幅」の機能がありませんでしたが、1906年、アメリカのリー・ド・フォレストが三極真空管を発明しました。この発明により、真空管は増幅の役割を果たせるようになり、トランジスタの前身としての形が完成しました。増幅とは、1の力で100や1000をコントロールするという考え方で、電気の世界では非常に重要な概念です。
三極真空管は軍用無線通信やラジオに広く使用され、1946年には真空管を約1万8000本使用した世界初のコンピュータ「ENIAC」が開発されました。ENIACは弾道計算に用いられ、7時間かかっていた計算をわずか3秒で処理できるようになりました。
真空管の限界と半導体の登場
真空管は技術進歩に大きく貢献しましたが、以下のような課題を抱えていました。
- 消費電力が多い
- 高熱を発する
- 壊れやすい構造
これらの課題を克服するため、より強く、小さく、高効率な部品の必要性が高まり、半導体の開発が始まりました。半導体はこれらの弱点を克服し、真空管の多くの役割を引き継ぎました。
半導体の進化と真空管の現状
現在でも真空管は高音質オーディオや衛星通信などの特定分野で使用されていますが、ほとんどの用途では半導体に置き換えられています。半導体の進化は、私たちの生活を便利にし、世界の技術を支える基盤として、今後もその役割を拡大し続けるでしょう。
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