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半導体の業界構造

半導体業界においては、必ずしも新しく高性能な半導体ばかりが必要とされるわけではありません。もちろん半導体市場においてもプロセスノードが14nm、10nm、7nm、5nmなどの最新の高性能な半導体が次々と開発されて高価な半導体として世の中に出ていきますが、それ以外の少し古い技術、例えば65nmや45nm、28nmで製造されている半導体の市場も非常に大きいのが半導体業界の特徴です。

新しくて性能の高い半導体を使えば、売れる電子機器が作れると決まっているわけではありません。例えば自動車では新しく画期的なものが作られたとしても、足回りを支えるバネや骨組みとなるシャシーには古くから続く信頼性の高い技術が使われています。新しい自動車だからといつて、すべてのパーツが最新の技術で作られているわけではなく、昔からある技術に新しい技術を追加したり、今までになかった組み合わせで使用したりすることで新しい価値を提供しているのです。半導体も同様で、半導体を使った電子機器を新しく作る際に、微細化の進んだ最新の半導体が絶対に必要かというとそうではありません。

昔から作られており価格がある程度落ちついてきた半導体でも、十分に役割を担えるケースが少なくないのです。実際に、最新式ではない製造装置やプロセスで作られた半導体の需要は非常に高く、その需要を担うために工場が新たに建設されるケースもあります。

もう少し詳しく述べていくと、WSTSは半導体の種類を7つに分類しています。2021年における、この7つの分類と半導体市場における出荷金額シェアは次のようになります。



●メモリ………………………(28%)
●ロジック……………………(26%)
●マイクロ……………………(16%)
●アナログ……………………(13%)
●個別半導体…………………(5%)
●オプトエレクトロニクス…(9%)
●センサ………………………(3%)

このうち、メモリ、ロジック、マイクロ、アナログの4種類がICとして分類され、トランジスタは個別半導体に、LEDはオプトエレクトロニクスに分類されます。電卓時代からパソコン時代への移り変わりを牽引してきたインテルのマイクロプロセッサが分類されるのはICのマイクロであり、オーデイオ処理や映像処理、電力変換などに使われるのはICのアナログです。メモリには最先端の技術が使われているものが多いですが、ロジックについては最先端技術が使われている比率は低くなります。つまり最先端の製造技術を使った半導体の出荷量だけが市場を支えているのではなく、最先端ではない半導体も多くの割合を担っているのです。



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