半導体歴史簡易年表
半導体技術、半導体市場の歴史年表です。
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電子機器は、半導体だけでは構成できません。半導体に電子部品を組み合わせる必要があります。これらの電子部品は、大きく分けて受動部品と機構部品の2つに分類されます。
受動部品にはコンデンサ、インダクタ、抵抗器などが含まれ、機構部品にはコネクタ、スイッチ、基板などがあります。半導体とこれらの電子部品を組み合わせることで、多様な電気・電子回路を構成し、電子機器を実現していきます。
半導体市場では海外勢に押され気味の日本企業ですが、電子部品市場では健闘しています。特に受動部品の分野では、日本企業が高い市場シェアを保持しています。例えば、パソコンやスマートフォンなどに使用される積層セラミックコンデンサでは、村田製作所、TDK、太陽誘電などの国内メーカー13社の合計で、世界市場におけるシェアは50%以上に達しています。
特に高い性能や信頼性が求められる自動車向け分野では、国内メーカーがほとんどを供給している状況にあります。今後、これらの電子部品メーカーが半導体市場でも存在感を高めていく可能性があります。現在、電子部品メーカーは、自社の電子部品に外部の半導体メーカーから購入した半導体を組み合わせ、無線通信モジュールやIoTセンサモジュール、電源モジュールなどを製造して提供しています。これらのモジュールを高性能かつ小型化するには、高度な技術力が求められます。世界中のどの電子機器メーカーでも設計・製造できるわけではなく、多くの企業にとっては実現が難しいことを、電子部品メーカーが肩代わりしているのです。
実際、一部の電子部品メーカーはすでに半導体ビジネスに参入しています。例えば村田製作所は、無線通信機器向け半導体を手掛ける米国のペレグリンセミコンダクター(現ピーセミ)を2014年に、また電源向け半導体を製造する米国のアークティック・サンド・テクノロジーズを2017年に買収しました。同様に、TDKはセンサチップを手掛けるスイスのミクロナスセミコンダクタを2015年に、米国のインベンセンスを2016年に、そして電源向け半導体を設計する米国のファラデーセミを2018年に傘下に収めています。
日本の電子部品メーカーが、その高い技術力を活かして各種モジュールビジネスを拡大する過程で、それに搭載する半導体を設計・製造するさまざまな半導体メーカーを買収し、気づけば大きな売上高を誇る半導体メーカーへと成長する――。そんなストーリーが実現する可能性は、決して否定できません。