TOP > 半導体技術・産業動向の教養 > ICの発明
1958年にICが発明されました。ICの発明は、半導体の歴史における大きなイベントであり、これによって大変革が起きることになりました。ICとはIntegrated Circuitの略で、「集積回路」を意味します。ICはトランジスタや抵抗器、コンデンサといった、たくさんの素子を並べて作られたもので、非常に複雑な構造の回路です。
そもそもトランジスタの発明によって電子機器産業は急速に発達しました。そこで使われる電子回路も連動して急激な発達を遂げていました。しかし、プリント基板の上に何百という数のトランジスタや抵抗器、コンデンサなどを並べ、それらを一つひとつを「はんだ」などでつながなければなりませんでした。これを手で作業するしか方法がないため、途方もない労力を要するものでした。電子機器の小型化が望まれるトレンドの中、もう限界であるという認識が広まっていました。このような危機感は「tyranny of numbers(数の暴力、ティラニー・オブ・ナンバーズ)」と表現され、当時の回路設計での課題となっていました。
そこで考え出されたのが、1つの小さな半導体基板の上にトランジスタやコンデンサなどをすべて作り込み、加えて配線も行うICというアイデイアです。これを実現したのがテキサス・インスツルメンツのジャック・キルビーでした。キルビーの発明したICはグルマニウム製だったのですが、同年に米国フェアチャイルドセミコンダクターのロバート・ノイスがシリコン製のICを開発しました。そのためICの産みの親はキルビーとノイスの2人だといわれています。
キルビーは翌1959年に集積回路に関するキルビー特許を取得し、この特許を利用した日本をはじめとする半導体メーカーから1980年代から1990年代に莫大な特許収入がもたらされました。さらにキルビーは2000年にはノーベル物理学賞を受賞しています。またノイスは1968年に設立された米国インテルの創業者の一人であり「シリコンバレーの主」と呼ばれていました。ノイスは1990年に62歳で他界しましたが、もし2000年まで生きていたならば、キルビーとともにノーベル賞を受賞していたのではないかといわれています。
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