TOP > 半導体年表 > 1967年の半導体産業・技術分野の重要な動向
1967年は、半導体産業の成長が加速し、IC(集積回路)の普及、MOSトランジスタ技術の発展、半導体メモリの進展、製造プロセスの高度化、そして国際競争の激化といった重要な動向が見られた年です。
1. MOSトランジスタ技術の進展
1967年には、MOS(Metal-Oxide-Semiconductor)トランジスタ技術が大きく発展しました。
重要な技術的進展
●フェアチャイルド・セミコンダクターが商用MOS ICの開発を加速。
●MOSトランジスタの高集積化が進み、従来のバイポーラトランジスタと比較して、消費電力が低くなるメリットが明確化。
●CMOS(Complementary MOS)の基礎研究が進み、低消費電力デバイスの可能性が示唆される。
この技術進化が、後のマイクロプロセッサ(MPU)やDRAMの発展につながることになりました。
2. 集積回路(IC)の商業的普及
1967年には、IC(集積回路)が本格的に商業化され、軍事・宇宙産業だけでなく、民生機器にも採用が拡大しました。
IC市場の成長
●フェアチャイルド、テキサス・インスツルメンツ(TI)、モトローラなどがICの量産技術を確立。
●IBM、AT&Tなどの大手企業がコンピュータ向けにICを採用し始める。
●NASAのアポロ計画や米軍の兵器システムでICが重要な役割を果たす。
●ソニー、シャープ、日立などの日本企業がIC技術の研究開発を加速。
この時期にIC技術が進化したことで、1970年代以降のマイクロコンピュータや半導体メモリの発展の土台が築かれました。
3. 半導体メモリ技術の発展
1967年には、半導体メモリの研究が進展し、磁気コアメモリからの移行が徐々に進み始めました。
主な動向
●SRAM(Static RAM)の初期の実用化が進む。
●IBMが半導体メモリの商用化を進め、磁気コアメモリの代替としての可能性を探る。
●日立やNECが半導体メモリの開発に取り組み始める。
これらの技術進展が、1970年のIntelによる世界初のDRAM(1103)の開発につながることになります。
4. 半導体製造技術の進化
1967年には、半導体の製造プロセスの微細化が進み、より高性能なICの量産が可能になりました。
主要な製造技術の進展
●フォトリソグラフィ技術の精度向上により、回路の微細化が進む。
●イオン注入技術の発展により、半導体の特性が大幅に向上。
●エピタキシャル成長技術の改良により、より高品質なシリコンウェーハが生産可能に。
これらの技術革新により、ICのコストが下がり、大量生産が現実的になったことで、コンピュータや家電製品への応用が広がる道が開かれました。
5. 国際競争の激化
1967年には、アメリカ企業が主導していた半導体市場に、日本やヨーロッパの企業が積極的に参入し、競争が激化しました。
日本企業の動向
●NEC、日立製作所、東芝などが半導体技術の開発を本格化。
●日本政府が半導体産業の成長を支援し、国策として研究開発を推進。
●トランジスタラジオや電卓などの分野で、日本製の半導体デバイスが普及し始める。
この時期の日本企業の成長が、1970年代以降のDRAM市場での日本の躍進につながることになります。
6. 軍事・宇宙開発と半導体
1967年には、アメリカの宇宙開発計画(アポロ計画)や軍事技術の高度化に伴い、半導体技術が重要な役割を果たしました。
主な動向
●NASAのアポロ計画でICが積極的に採用され、宇宙船の電子制御システムが進化。
●アメリカ国防総省(DARPA)が、半導体技術の研究開発を支援。
●軍用コンピュータやミサイル誘導システムにICが活用される。
軍事・宇宙分野での技術革新が、その後の民生用エレクトロニクスやコンピュータ産業への波及につながることになりました。
まとめ
✅ MOSトランジスタ技術が進化し、集積度と低消費電力化が進んだ。
✅ ICが軍事・宇宙分野だけでなく、商業市場にも普及し始めた。
✅ 半導体メモリ技術が進展し、磁気コアメモリからの移行が始まった。
✅ 製造技術の進化により、ICの微細化と大量生産が可能になった。
✅ 日本企業が半導体市場に本格参入し、国際競争が激化した。
✅ 軍事・宇宙開発分野での半導体利用が拡大し、技術革新が加速した。
1967年は、MOS技術の発展とICの商業化が加速し、半導体産業が新たな成長段階に入った重要な年だった。この技術革新が、のちのマイクロプロセッサ、DRAM、CMOS技術の発展へとつながることになりました。
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